広島に来て最初に読んだ本です。
タイトルに書かれているように
1975年の広島が舞台です。
広島東洋カープが初めて優勝した年ですね。
東京から引っ越してきた小学校6年生の男の子が主人公。
自由人の父親に振り回され、転校を重ねています。
転校性の主人公に自分を重ねて
広島の子供たちの様子に戸惑いながらも
打ち解けて友情を育んでいく様子と
優勝争いには縁のなかったカープが
勝ち星を重ね、優勝パレードをするまでの半年間が
子供目線で生き生きと描かれています⚾
どこの地域であることなのかもしれませんが、引っ越しを繰り返していると
地元の人たちの輪の中に入れなくて
少し寂しい思いをしたり、心を閉ざしてみたり…
どうせまた引っ越すんだからと深い人間関係を築くのを避けたり…
大人でも苦しく感じることがあるから
子供はより混乱するだろうなと思います。
特に広島は被ばくという悲しい出来事があり、
「よそモン」である自分がどう受け止めていけばよいのか‥
だれも答えを教えてくれないことに悩む
主人公の男の子の気持ちが伝わってきて
一気に読んでしまいました。
悲しみや苦しみを、平和を願う心へと変えていく強さ、終わることのない思いを持って生きているのだと感じました。
外からの視点で広島を見た本て意外と少ないかもしれません。
これから広島で暮らす方、もっと広島のことを知りたい方はぜひ一度読んでみたらよいのではないかなと思います。
野球ファンの方も楽しめる1冊です。
カープが広島で愛されている理由が少しだけわかったような気がします。
あと、時代が違うからかもしれませんが
今、こんなに強い広島弁を話している子は見かけません(=^・^=)
読書感想文にもぜひおすすめです。